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S800(1967年式) レストアの現場から 前編
レストアレポート:Y.O.
Example:1967 Honda S 800 Jan. 2008 前編 中編 後編
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2008年にガレージイワサにて行われたレストレーションの現場レポートです。

第一回目はS800リジッド初期モデルの右サイド及びフロアーの修復です。

1.フロントフェンダー内部の腐り
今回入庫したS800の初期モデルはフロントフェンダー内部と運転席フロアーの腐りが進んでおり大幅なパネル交換が必要な状態でした。
一度腐食してしまった部分は元には戻りませんので、腐食箇所を切り取り新しい鉄板を加工して溶接して行きます。
写真の右側をご覧いただくと、いかに腐食がひどいかがおわかりいただけるでしょう。

2.フロントフェンダー内部の腐り
パネルを切り取る際には、ボディーが変形しないように地具を使って固定しておくことが必要となります。
一枚のボディーパネルでも使える部分と交換しなければならない部分とがあります。どこまでを切り落とし、新設するかは永年の経験を元にして適切な判断を下します。
3.右サイドステップの修復
こちらもボディーパネル(サイドステップ)を曲げ加工により作り出し新設されています。流れ落ちている赤い液体は錆止め剤です。パネルの外側は厚い塗装により酸化から守られますが、まったく見えない部分にあたる内側は、一般には手を抜いてしまいがちな場所です。ガレージイワサでは、このような見えない部分であっても細心の注意をはらい作業を進めます。このような地味な作業の積み重ねこそが、実は優れたレストレーションの基礎を作り上げています。
4.フロントフェンダー・インナーパネル
腐食のひどいフロントフェンダー内部のインナーパネルをサイドステップと同様に製作します。このパーツはサイドステップから前方へ延びた部分ですが分割して製作して微調整を施してから溶接します。
5.運転席フロアーの切り取り
腐食のひどいフロアーは全面的に切り取りパネルの作り直しが必要となります。フロアーの下に黒く見える部分はフレームです。ボディーをレストアする際にフレームからはずした方が作業効率が良さそうに思われますが、フレームからはずしてしまうと、ボディーパネルを切断した際に歪みが生じてしまいます。そのため、板金の微調整が完了するまでは、ボディーはフレームに固定した状態で作業を進めます。
6.フロアーの製作
上は変わり果てた姿のオリジナルフロアーパネルです。
現在ではフロアーなどの新品パネルは存在しないため、すべて手作業により新規に製作することになります。(\63,000)
写真でおわかりいただけるとおり、フロアーパネルの凹凸などもオリジナルに忠実に再現しています。とても手間のかかる部分ですが、見えないところであっても、手を抜かず本来の姿に修復してゆくことがガレージイワサのポリシーです。
下の写真はあらかじめ実車に合わせて周囲を加工したものです。(個体により錆の度合いが異なるため、パネルは大きめに作っておき実車に合わせて、さらに加工します)

7.フロアーの取り付け
オリジナル通りに製作されたフロアーパネルをボディーに取り付けます。
寸分の狂いもなくぴたりと収まるのは計算されつくされたディメンションと永年の経験による職人の技といえます。



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